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二
部屋に帰ると、わたしはまずシャワーを浴びた。長時間雨に濡れていたせいか、身体は氷のように冷えていた。
バスルームから出て、部屋着を着ると白いバスタオルを髪に巻きながらソファーに腰を降ろす。何か物足りなさを感じ、また立ちあがり冷蔵庫の扉を開いた。 缶ビールとチーズを取りだし、途中で床に転がっているリモコンを拾うと、またソファーに腰掛けた。
テレビをつける。途端に響く笑い声。お笑い番組の真っ最中だった。
ビールを飲みながら画面を観ると、今、一番人気の芸人登場に観客が歓喜している。
二人組の芸人で、一人がボケ、もう一人が突っ込みらしい。ボケの方が、「がに股光線、ビピピーッ!」などと叫び、突っ込みの男を倒していた。「って、そうじゃねーだろ!」と突っ込みが起きあがると、がに股になっている。
腹を抱えて笑い転げる観客達が画面に映った。
はっきりいって、全く面白くない。なぜ、こんな面白くない芸人が人気者になれるのか?わたしは空缶をテーブル上に転がすと首を捻った。
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