おまけのおまけ『君の名前は?』

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おまけのおまけ『君の名前は?』

とある競馬場。 最終レースを終えた人々が家路を急ぐ。 足取りも軽く満面の笑みを浮かべる者。 ガックリと肩を落としトボトボ歩く者。 その様は悲喜こもごも。 「すいませーん。 インタビューさせて下さぁい...♪*゚」 新人レポーターがひとりの男にマイクを差し向ける。 「え?」 屈強な体つきに無愛想な無表情。 突撃インタビューのターゲットにこんな男を選ぶとは…元地下アイドルのレポーターもなかなかの強者だ。 「お名前、教えていただいていいですかぁ?」 「嫌だ」 「はぁ?何でですかあぁ」 「絶対嫌だ」 下がり眉を八の字に寄せ、頑なに拒む男。 「えーっ、いいじゃないですかぁ。 お名前 お・し・え・て♥」 上目遣いの大きな瞳を瞬かせ、艶やかな唇をツンと尖らせる。 『秘技・天使のおねだり』 アイドル時代に培ったあざと可愛い仕草。コレで堕ちない(やつ)はいない。 男の心臓もドクンと跳ね上がった。 「俺の名前はoஇoஇoஇoஇ だ」 口の中で呪文のように唱える。 「えー?聞こえない」 「俺の名前はoஇoஇoஇoஇ だ」 「ん、もう! 全然聞こえないよぉっ」 ツインテールに結った頭を左右に振ると、形の良い胸もプルんと大きく揺れた。 男は唾を飲み、意を決す。 「俺の_______________」 99765261-a141-4d3b-aadc-996b4b101602 「…え…“うるわし きよすみ“?? うるわし?ウルワシィ??!」 ぷっと吹き出す素直なレポーター。 雲類鷲の顔は、今沈みゆこうとしている夕日よりも真っ赤に染まる。 そして心の中で大きく舌打ちした。 『だから嫌なんだよ。名前言うの』 *´∀`*´∀`*´∀`*´∀`*´∀`* 3番目の彼の名前が知りたいのお声をいただいたので、SSを書いてみました。 ついでにイラストも加工。 りうじさんが『競馬場通ってそう』と仰っていたので、耳に赤ペンを挟んでます(笑) 2021.2.6
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