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……指差して笑われると、それはそれでイラッとするが……
親友の感じるイラつきとは、また別のイラつきじゃないだろうか?
「何よりムカつくのは、オレらのために稼いでるんだから、言うことくらい聞けって態度が腹立つんだよな。」
思い出しただけで腹立つー!と、憤慨している親友。
「そりゃ、育ててもらって感謝はしてるけどさ、それ差し引いても恩着せがましいのはウザくね?」
「……恩着せがましいのは……ちょっと嫌かもな…。」
……考えたこともなかった。
そんなこと、あの母から言われたことはない。
母は正社員で、残業もちょいちょいしつつ、フルタイムで仕事をしている。
だからといって、仕事をしてるからと何かを俺に言ったりすることもない。
……もしかして、デリカシーがないのは母なりの愛情なのか?
「あーあ。帰ってあいつの顔見なきゃいけないと思うと、テンション下がるわー。」
「……なんか、お前のとこはお前のとこで大変なんだな…。」
「くくっ。まあな。年取ったら、それなりに感謝できるようになるんじゃねぇの?反抗期ってやつなんだろな。」
穏やかな苦笑を浮かべる親友。
妙に説得力を感じる言葉に、俺よりも親友がずいぶん大人に感じた。
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