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【00】プロローグ
その男の背には魂を喰らう鳳凰が棲むという。
「…………んっ」
汗に濡れた白い肌とオレンジブラウンの髪が乾き始めた頃、どこか頼りな気で愛らしい顏立ちをした青年がダブルベッドの上で意識を取り戻した。
どうやら情事の途中で気を失い、一糸まとわぬ肢体を無防備に投げ出してしまっていたらしい。
こんな大失態は初めてだと緊張した面持ちで上半身を起こすと、彼は大きな目を見開いて暗い室内をすばやく見回した。
すると脱衣所の扉の下から微かに光が漏れている。
どうやら相手の男は今、シャワーでも浴びているのだろう。
現状を把握したことで少し落ち着いたせいか、重い感覚が残された下半身から一気に怒りがこみ上げてきた。
「くそっ!ハニートラップが得意な僕が、演技じゃなくて本当に失神するなんて信じられない!ったく、あの野郎……体力もアレのデカさもバケモンかよ!」
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