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都心の巨大な駅に近い歓楽街のバーで、標的の男が自分を誘うように甘い罠を仕掛けた青年は店を出た後、同じ区域内にある高級ホテルCの一室に連れ込まれた。
ここまでは計算通りだったのだが、男の要望に従って先に服を脱ぐと、慣れた手つきで目隠しと拘束をされてしまったのだ。
しかし青年は、その可憐な容姿から火遊び相手に不自由したことがなかったため、目で見ずとも今回受け入れた男のサイズが特大だったと見当がついたのである。
「注意深いのか単に性癖なのか知らないけど、この僕を変態プレイでヤりたい放題だなんて……絶対に許せない!」
と、悪態を吐くうちに、意識が飛ぶ前に与えられた恐怖にも似た強烈な快楽を鮮明に思い出してしまい、不本意ながらジンワリと疼いた腰をシーツにすりつける。
そんな残り火の消えない体とは裏腹に、可愛らしい顔は「一方的に抱き潰されてしまった」という屈辱によって酷く歪んでいた。
「……落ち着け。これは大金が絡んだ仕事なんだ」
そう小さく繰り返して自分に言い聞かせると、青年は深呼吸をしてからベッドを滑り下りた。
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