515人が本棚に入れています
本棚に追加
光の加減で銀色にも見えるウェーブのかかったアッシュグレーの長髪、鼻筋の通った彫りの深い顏立ち、太い眉の下から射抜くように放たれる鋭い眼光、そして筋肉が隆起する鍛え抜かれた高身長のボディ。
なにより今まで抱かれてきた男たちとは比べものにならない圧巻の下腹部に目を奪われてしまい「こんなものが僕の中に全部入ったのか……?」と、思わず青年の奥がゾクゾクと疼き出す。
すると軽いシャワーの水音と混ざり合わない重低音の声が、静かに告げた。
「俺は簡単には殺せんぞ」
深が放ったストレートな物言いによって、すでに暗殺者であることを見破られていたのだと気付いた青年は「誤魔化すことは、もう無理だ」と、プロらしく頭を切り換えた。
濡らしたタオルをすばやく握り直し、深の顔面を狙ってピシャリと投げつけて視界を遮る。
そうやって隙を作り、今まで高額の報酬と引き換えに葬ってきた者たちと同様に、自慢のナイフさばきで喉元を一閃切り裂こうとした瞬間。
二人が動いたことによってシャワールームに立ちこめていた湯気が流れ、深の背後に設置されていた曇り止め機能付きの大きな鏡が現れたのだ。
最初のコメントを投稿しよう!