【000】エピローグ

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「だってオレ、愛花(アイファ)に助けられたんだぞ?守る必要なんて全然ねぇじゃん!これでも陸神(りくしん)会、二代目会長の側近だったのによ。ったく、かっこ(わり)ぃ」  と、イガグリのような茶色の短髪をガシガシとかいて、(バオ)がふてくされる。  仕事帰りの夜道で殿寺(とのでら)組の組員にナイフを突き付けられ、人質にされた愛花は、豹が命を懸けているなら自分も命を懸けて突破口を作ってやると覚悟を決めた。  そして、ためらうことなくナイフの柄を握ると、わざと(おのれ)の左腕を大きく切って出血させ、ひるんだ組員の(すね)を力一杯蹴り飛ばし、拘束から抜け出して距離をとることに成功したのである。  痛みに堪えながらも、それはまるでアクション映画のワンシーンのような見事な身のこなしだった。  愛花が命懸けで血路を開いた瞬間を、豹が逃すはずがない。  解き放たれた猛獣のように吠えると、あっという間に急所のみを狙った攻撃で手前の2名を戦闘不能にし、ナイフ男の片目を潰して戦意を完全に喪失させた。  それでもまだ怒りが収まらなかった豹だが、今は怪我の治療が最優先だと考え直してワイシャツの袖を破き、愛花の患部に巻き付けて止血してから病院へと急いだのである。
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