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『………ん、んん………』
「目が覚めましたか?」
『……せ、先生……………ん!?ちょ、ちょっと待って!もう一人の先生は!?』
「未来の千樹ならもう行ってしまいましたよ」
『そ、そんなぁ………』
未来から来た千樹先生はあたしが気を失ってるのをいいことにあたしの許可なく勝手に記憶を読み取り、そして次元の彼方へと飛んでいったという。
『ねぇ先生?先生はあたしの記憶の何処に飛んでいったと思う?』
「さあ……皆目検討もつきませんね。なんせ私は未来で何が起こったかなんて知りもしませんから………」
『だよね………ん?あれ?先生ちょっと一つ訊いてみてもいい?』
「何でしょう?」
『今思ったんだけどさぁ、なんで先生は自分の記憶の中から未来へ飛んでいかなかったのかなぁ?わざわざあたしの記憶を辿るよりもそっちの方が全然手っ取り早いと思うんだけど?』
「出来ないからですよ………」
『えっ?』
「残念なことに私達の能力は己自身の記憶にその力を行使することが出来ないんですよ……」
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