同棲なのか、同居なのか

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同棲なのか、同居なのか

 食事を終えると奏は、ウォークインクローゼットから女性もののカットソーとデニムのクロップドパンツを持って来た。 「本当は晴香に他の人の服を着せるつもりはなかったんだけど、とりあえずアパートに荷物を取りに行くのに、その格好じゃムリだろ。」 「これは…」  奏の彼女の服かと警戒する晴香に奏は、苦笑いして言った。 「姉貴の、なんだ。俺よりかなり年上でもう1人の母親みたいで、結婚しているんだけど、たまに様子を見に来て泊まっていくんだ。まぁ俺に女っ気無いから心配していると本人は言ってたけど、旦那と喧嘩した時の家出先だって俺は思っているんだ。」 「そうなんだ…」 「ごめん、姉貴の話したらお姉さんのことを思い出しちゃうよな。」 「ううん。大丈夫だよ、服借りるね。」  着替えてみると奏のお姉さんはスタイルがいいようで、多少ぴっちりだったが、これで自分の荷物が取りに行ける。 「車出すから、差し当たり必要なものを持って来よう。」  奏とエレベーターでマンションの一階まで降りるとエントランスにコンシェルジュがいるのが見えた。 「晴香が1人でも入れるように紹介しておくよ。 笠井さん、今日から俺と一緒に住む晴香です。書類は、また後で提出しますので、よろしく。」 「かしこまりました。カードキーは、後ほどご用意しますね。」 「後でカードキーを渡すから。ここのエレベーター上りはカードキーがないと動かないからね。」  晴香は、自分と同じ年でこんなマンションに住んでいることに驚き、同じグループ企業ではあるが、一流ホテルで働く奏は違うなと思った。  
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