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奏の車は意外なことに黒のファミリータイプのミニバンだった。
「独身の男の人で、こういう車って珍しいね。」
「結構、暇だと親戚の運転手として車を出させられるんだ。で、ばあちゃん達は、狭いと文句言うからこれになった。荷物もたくさん積めて便利だよ。」
この人は、見た目はイケメンだけど心はもっとイケメンだと晴香は思った。
アパートに着くと車の後ろから折りたたみコンテナを奏が、降ろして持って来た。
「服とかは旅行用のキャリーバッグに詰めて、他に持って行くものがあれば、コンテナに詰めて。俺が車に運ぶから。家電はどうする?」
「奏のがあるから、処分する。」
出会って1日で、一緒に住むことを決めてアパートを引き払って大丈夫なのかと晴香は一瞬、悩んだがどちらにしてもここには住んでいたくない。
奏と上手くいかなければ、その時に考えることにしよう。
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