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あの日から1週間が経ち、仕事をする事でなんとか毎日を過ごせていた晴香は、急に父に呼ばれ久しぶりに実家を訪れていたが、玄関前でなかなか足を動かす事が出来ないでいた。
晴香の家族は、月島商事という紙に特化した商社の社長の父と専業主婦の母、そして晴香と一卵性双生児の姉である千晴がいるが、大学進学を理由に一人暮らしを始めたのは、家族と距離を置きたかったためだ。
元々、大人しいくせに気の強いところがあり、曲がった事が大嫌いという晴香と母はそりが合わないところがあったのだが、小学校3年の時、晴香がクラスメイトと揉めた結果、晴香と間違われていじめられた千晴を見た母が、晴香を責めた事で溝は深くなった。
千晴は、晴香と同じような顔だちだが、今は雰囲気が全く違う。
所謂、ふわふわお嬢様タイプの千晴を見て、シンプル イズ ベストな晴香と間違える人はいないだろう。
中学から私立の名門女子校に入学し、大学までそのまま進んだ千晴は、実家に住み、父の会社の受付嬢になっている。
一方、家族から放っておかれた晴香は、公立中学から高校、国立大学と進み自分の力で食品大手のクラウン食品に就職している。
父に呼ばれたのでなければ、実家なんて来たくないのが晴香の本音だった。
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