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知らないはずの人
「ん…」
晴香が目を覚ました場所は、見慣れない場所だった。
「ここ、どこ…」
ブルーグレーを基調にした部屋には、晴香が寝ていたキングサイズのベッドとサイドテーブル、壁に掛かるどこか懐かしい青空と草原の写真パネルしかない。
晴香は、一糸纏わぬ姿でベッドで寝ていた。そして自分が男性に抱かれた後だと気づく。
微かに聞こえる水音に誰かがシャワーを浴びていると分かったが、晴香には誰だか心当たりはない。
カタンと音がして、タオルで頭をゴシゴシと拭きながら知らない男性が部屋に入って来た。
「おはよう、晴香。よく眠れた?」
「あなたは?」
「あれ、覚えていない?」
タオルを肩に掛けて見えた顔は、とても整っていて、裸の上半身は筋肉質でしまっている。
彼は、少し意地悪そうな笑顔で晴香を見つめていた。
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