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「社長、お帰りになりますか。」
メッセージを確認した俺に、察する事が上手な秘書は、荷物をまとめる準備をしてくれる。
「あとは、任せるから。緊急の場合は連絡…来ないだろうな。みんな優秀だから。」
「はい。明日はお休みにしておきました。」
「有能な秘書がいて、助かる。それじゃ。」
「車は、いつもの場所に待機しております。」
お辞儀する久川さんに見送られ、ホテルの別館を後にした。
「どちらへ向かいますか。」
「病院へ。」
「いよいよですね。」
退院してから車を運転出来ない俺の運転手になってくれたのは、高校時代に母さんの運転手を務めていて、その後、引退したはずの木暮さんだった。
晴香を家に連れて行った事を覚えていて、俺たちの結婚も自分の子どもか孫の事のように喜んでくれている。
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