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真仁たちB班の班長は、満場一致で成に決まった
他にも地図係やごみ・忘れ物係、炊飯の準備係などを決めた
次に炊飯活動のメニューだ
あらかじめ、時間内で作れそうなメニューを考え、必要な食材と量を学校側に手配してもらう
最低でも、主食、主菜、副菜を考えるのが決まりだ
B班のメニューはハンバーガー(主食と主菜)と、ミネストローネに決まった
オリエンテーリングは、研修施設の付近のハイキングルートを、所々に設けられたチェックポイントを回りながら、各班で協力して踏破するものだ
約5時間のルートを協力しながら回るのだから、団結力が問われる
これらの班活動にはポイントがつけられ、最後に順位が発表される
行動計画表を担任に提出した班から解散と言われ、運動部が多いB班はてきぱきと決めていった
「じゃあこれ出してくるね」
成が席を立った
たった一時間で、高塚と夢はすっかり班に打ち解けたようだ
「霧島が誘ってくれて助かったよ。俺ら浮いてるからさ」
「そんなことないだろ」
真仁の言葉に茉里もうなずいた
成は葉山に班の行動計画表を渡すと、そのまま部活に出た
部員はまだまばらだった
成は部室に入り、自分のロッカーを開けた
すると中から、長い棒状の物が倒れてきた
あわててよける
それは、体育館の掃除モップだった
成がロッカーの中を覗くと、モップの他に、雑巾やトイレ掃除用のブラシまで入っていた
鼓動が大きくなり、血の気が引くのを感じた
部室にひとがいないのを確認して、掃除用具を元の場所に戻す
自分の知らないところで何が起きているかわからない
わからないなら、努めて笑顔で出るしかない
何事もなかったかのように、平然と
体育館に出ると、数人の部員が成を見ていた
その面子を見て背筋が凍った
同じクラスの子たちだった
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