16歳4か月

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研修当日は快晴で、山の空気は冷たく済んでいた この期間中は部活のことを考えなくて済む 成はホッとしていた あれから一週間、いやがらせは続いていた 原因はなんとなくわかっていた (研修の班決め) 女バレのクラスメートの中には、真仁を班に誘おうとしていた子たちもいる (まずった、とは思ったけど、まさかこんなにあからさまにいやがらせされるとは…) 思い出すだけで気が重くなった 彼女らに「真仁は中等部からの友達」と言ってもなかなかわかってもらえないだろう (丸瀬さんには、何にもしなかったのに) 卑屈な集団意識は一体どこから出てくるのだろう かといって、彼女らを「自分の頭で考えられない」とバカにすることはできない 立場が違えば、自分もそうなっていたかもしれないからだ 到着後、荷ほどきをし、各班でテント設営の活動をした なんのための活動なのかわからないが、説明書を読みながら手分けしながら進めていく 「これも班のポイントになるからな」 葉山が声をかけて回った 真仁が班のメンバーにてきぱきと指示を出していく 「お前、手慣れてない?」 「親父としょっちゅうキャンプ行くんだよ。このタイプはうちのテントとも似てるし」 他のメンバーは全員初めてだったにも関わらず、B班は一番に設営を終えた 出来上がりもよかった 「うん、しっかりできてるな。地面の選び方も悪くない」 すべて真仁の指示によるものだ 成は情けなくなった 自分が班長なのに、真仁のように指示を出すことも、まとめることもできなかった 一人、離れたところに立っていると 「小室さん」 夢が話しかけてきた 「まだまだ先は長いから、頑張ろうね!」 (落ち込んでる暇はないよ!) と言われたようだった 夢は不思議な女の子だ ごついピアスやメイクは自己主張が激しいのに、実際はそうでもない 班決めからこちら、何度か班で話し合う機会があったが、調和を一番気にしてくれたのが夢だった 「ありがとう」 成は微笑んだ
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