16歳3か月

3/13
前へ
/85ページ
次へ
(俺も疲れた。お前は気づいてないんだろうけど) 今時の話題に豊富で、共通の友達も多く、時にはバカみたいに騒いで、休みの日にはカラオケかゲーセンかライブに行って、週に一度、放課後にどちらかの家でセックスをする セックスしているときの陽依がかわいいのは認めるが、それだけなら別に彼女じゃなくてもいい 真仁は振り向きもせずに歩きだした 次の瞬間には (部活いくか) と体育館の方向に向かっていた 「ごめん…ごめんってば」 パタパタとサンダルの音を響かせながら、陽依が駆け寄ってきて、真仁の横に並んだ 「怒った?謝るから、許して」 (謝るのは俺だろ) 真仁が立ち止まると、陽依が安堵の表情を浮かべた 「何を謝るの?」 「え?」 陽依の表情が固まった 「謝ることなんてなくない?」 「だって…私が変なこと言ったから怒ったんじゃないの?」 「変なことって?」 「だから…サボろうとか言ったこと。真仁、そういうのキライだもんね」 「それはちゃんと俺の考えを伝えて終わったことだよ」 「はあ?じゃあなんなの?!わけわかんない!」 急にキレるのも彼女のパターン 「俺はこういう不毛なやりとり、心底嫌いだし、無駄だと思ってる。俺はカウンセラーでもボランティアでもない」 「意味わかんない!ボランティアはこっちだっつーの!ワケわかんないこと言って、キモいんだよバーカ!」 陽依自身も、真仁に物足りなさを感じていたはずだ いつまでたっても自分を満たしてくれないのだから 陽依が鞄をぶつけてきた 「いってーな!」 「知るか!お前の方がイタいよ!」 廊下を歩いていた生徒たちが振り返ったり、立ち止まったりして二人を見ている 中には友達を呼びに走り出す生徒もいた (まずった) 真仁は陽依に叩かれるままにしていた
/85ページ

最初のコメントを投稿しよう!

13人が本棚に入れています
本棚に追加