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「ったく」  微睡の中で、呆れた様な呟きが聞こえた。その後人の気配がグッと近づいてきたような感覚。でも、もう俺は瞼一つ動かすのも億劫で、このまま眠りたい気持ちなんだ。真壁がもしかしたらベッドにまで運んでくれる気かもしれない。ラッキー。今度ちゃんとこの埋め合わせは、必ずするからなぁー。 「ちょっと」  真壁しかいないはずのこの場に第三者の声。誰だ。聞き覚えのある声。そう思ったけど、もう本当に瞼も開けられないし、もう眠ってしまいたかった。 「なにしてるんですか」 「なにって・・・・・・。それはこっちの台詞だけど。高校生が出歩いていい時間じゃないだろ」 「・・・・・・あんたに関係ない。あとは俺がベッドに運ぶし、あんたは帰ったら」 「ここまで飲ませた責任は俺にある。お前こそ、子どもはさっさと帰って寝な」 「子ども扱いすんな」 「現に子どもだろう」  繰り広げられる言い合いに、止めないと、という気持ちは生まれるが、その頃にはもうすっかりと睡魔には勝てず、眠りの底に落ちて行っていた。
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