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「お疲れ」
「全も、お疲れさま」
店を閉め、通りに出ると全が待っていた。無事生田を送り届けたらしい。
「生田さん、賑やかで明るい子だな」
「ふふ、でしょ。いつもあんな感じだよ」
「いい子だな」
「うん。あれ、気になりますかー?」
悪戯っぽく聞くと、「ばぁか」と言いながら頭をクシャッと撫でられた。寄り添いながら歩く。周りの目が気にならないわけではないけれど、それでも、なんて思われたっていいや、くらいには開き直っていて。全もきっと同じ。
「全、お腹すいたんじゃない?」
「今にも腹と背中がくっつく」
「そりゃ大変だ。帰ったらすぐ用意するからね」
「サンキュ」
俺が仕事の日は、大抵昼も夜も全はうちに食べに来る。こうした迎えは全も仕事が遅くなって夜にうちに来れなかった日だ。
「途中でなんか食べらんないの?」
「食べようと思えば食べれるけど。郁の料理の方がうまいから」
サラリと当たり前のように言ってのける全に、まんまと乗せられる単純思考な俺。
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