かつて村人の期待に応えることが出来なかった神様が、今度は世界を救う神になるお話

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★ 暑さが厳しくなってきた7月、仕事帰りに川沿いの土手で、小さなお地蔵様をひろった。 大きさ・形は、500mlの缶酎ハイ位と大差はない。 別に、お地蔵様だと思ってひろったわけではないのだけれど。 ★★ クーラーが苦手な私は、自宅の部屋の風通しを良くするために、玄関ドアを半開きにしたかった。 ただ、いくら30歳独身の一人暮らしの生活といっても、玄関の開けっ放しは、防犯上よくないと思い、ドアチェーンをかけたままで、少しだけ玄関ドアを半開きにしようと考えた。 半開きにするため、ドアと壁の隙間に挟みこめる何か手頃なものを探していたのである。 「これ、丁度いいや」 私は、川沿いの土手に転がっていたそれを拾い上げ、付着していた泥やヘドロを川で洗い流した。 洗い流すと、その下からは御影石のような色合いが現れた。 「ん?顔?お地蔵様?」
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