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04.別人
「あっ、待って怜央く……っ」
「なんで? もっと気持ちいいよ?」
「ん、でも……」
「俺も気持ちよくなるから。お願い」
なぜ彼の言うことに逆らえないのか。
私は今日も怜央くんの部屋にいる。彼のおいしいごはんを食べたあと、シャワーを浴びてからベッドへ。いつも通り愛撫されるだけの時間かと思っていたら、今日はさらにその先へ進むつもりらしい。
怜央くんが自らの高ぶりを出した時は、悲鳴を上げそうになってしまった。勃ち上がったそれは、ついに一線を超えてしまうかと思ったがそんなことはなく、さんざん弄られ濡れた私の秘部にぴたりとくっついた。
ここまで露骨な行為は初めてで戸惑っていても、怜央くんにはなんの効果もない。避妊具がついているとはいえ、生々しい感触はわかる。
「あ、あっ」
秘部でこするように動かされると、今までにない感覚に声が上ずった。
「気持ちいい? 俺は、すごくいいよ」
「……っ」
初めて、怜央くんのそんな顔を見た。ちょっと苦しそうで、切なげに眉根を寄せる顔。
怜央くんの熱の先端がふくれた花芯にこすれると、腰が浮いた。もう最近は我慢をすることもなくなった甘い声が淫らに響く。
「もうだめ……もう、私」
今までの行為とはまったく違う。強い刺激に、すぐに絶頂の波が襲ってくる。短く息を吐きながら、せり上がる快感に唾を飲み込む。
「は、ぁ……俺も、いく」
切羽詰まった声の怜央くんを見ると、目を伏せて、腰を揺さぶるその姿も刺激にしかならなかった。本当に、本物のセックスをしているみたいだった。
「んんぅ――!」
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