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嘘だよ、といたずらっぽく笑うのを想像していたのに、怜央くんは真面目な表情のまま、黙っていた。
「紗江もしてみたいでしょ」
「……」
想像をしていなかった提案に、唾を飲み込んだ。今まで何度も怜央くんのベッドの上で裸になっていたのに、最後までは絶対にしなかった。怜央くんが発散するための行為のはずなのに、前に一度だけ、達したところを見たくらいだ。
だからもう最後までする気はないんだと思っていた。
「もう……挿れるよ」
「えっあ、待って」
迷っている間にも怜央くんは準備を進めていた。ゴムをつけた昂ぶりが視界に入る。
「ごめんね、待つのは無理。紗江の初めて、俺にちょうだい」
くちゅりと音を立てて、お互いの秘部が合わさる。でも今日はこするだけではない。入り込もうと、怜央くんの熱が私の蜜口をじわじわと押し開いていく。
「あ、ぅ……痛い……」
鋭い痛みが襲う。当たり前だけれど指とは比べ物にならないくらいの質量だ。自然と視界が濡れて揺らいでいく。
「痛い? もう少し我慢して」
「……んん……」
徐々に入ってくるのが痛みでわかる。苦しくて息を吐こうとしても、喉が詰まってしまってうまくできない。
「紗江、泣かないでよ」
怜央くんの指が、私の目尻にふれて涙をぬぐってくれる。
「か、勝手に出るの!」
「大丈夫だって。紗江、可愛いよ」
痛いのは私だけのはずなのに怜央くんも苦しげに息を吐いた。
「もう少しだから、がんばって」
「んん……」
怜央くんのさらりとした汗が肌に落ちてくる。徐々に腰を進めて、少しずつ少しずつ中へ入ってくるのがわかった。圧迫感は強く痛みも続いているが、もうやめてほしいとは思わなかった。
「……ハ……、挿ったよ」
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