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会計を済ませて外に出ると、夜風が冷たくて気持ちよかった。
「んんっ……、風きもちいっ…。きだくん、カラダ…あつくないの…?」
あたしは、お酒のせいで全身がカッカッして熱い…。木田くんはあたしの体を抱き寄せるようにして支えたまま、首を横に振る。
「俺は暑くないですよ。…潮さん、暑いならジャケット脱ぎましょうね。」
「んー…、脱ぐぅ…、あついっ…、」
木田くんに手早くジャケットを脱がされて、ちょっとだけ涼しくなった…。もっと脱ぎたいっ…。
「きだくん、あたし、おうちにかえらなきゃ…、カラダ…熱くてヘンなのっ…、」
服、ぜんぶ脱ぎたいっ…
あつい…、
木田くんはあたしを見下ろして、コクンと頷いた。
「そうですね、帰らないとですね。…1人で帰れますか??」
「帰れるもんっ…、」
こういって歩こうとすると、足が思うように動かなくて、あたしは地べたにペタンと座ってしまった。
歩けないよぉ…。
「潮さん、どうしましたか?」
座っているあたしの隣にしゃがみこんだ木田くん。
あたしの顔を覗きこんで、クスッと笑う。
あたしは、木田くんをじっと見上げた。
「ん…なんか、歩けない…。」
「そうですか。それは困りましたね、帰れないですよね。」
木田くんはこういうと、あたしの体を抱き起こした。そして、ぐっと自分の方に引き寄せる。カラダとカラダが密着して気付いたけど、木田くん、背ぇたかーい…。体格差、こんなにあったんだぁ…
木田くんは、あたしの顔を覗き込んだ。
「俺の家、この近くなんです。ちょっと休んでいった方がいいですよ。」
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