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「マジでふざけんな。こんなになるまで飲むなよ、これから半年間禁酒しろ馬鹿。」
「ごめんなさい~…、禁酒は無理〜〜〜…、」
タクシーから降りると、あたしの足はフラフラで、京吾くんに隣で支えてもらわないと歩けない状態になっていた。
しかも、さっきまでのハイなあたしはどこへやら、しばらくタクシーに乗って頭が冷えたのか、なんだか猛烈に恥ずかしくて、申し訳ない気持ちでいっぱい。家に入ると、京吾くんはあたしにお水を持ってきてくれた。
「全部飲めよ。酒はどれくらい飲んだわけ?」
「生のジョッキ2杯と、…………えと、ワインをグラスで2杯と、日本酒をたぶん…………………5合、」
「はあ!?5合!!?」
あたしの回答に京吾くんは目を見開いて、思いっきり眉間に皺を寄せた。
うう…ですよね、こんな馬鹿みたいな飲み方してすみません…。あたしが面目なくて俯いていると、京吾くんは呆れたようにため息をついた。
「自分の飲める量ぐらい知ってんだろ。大学生じゃあるまいし、後先考えずに飲むな。」
「ごめんちゃい…、」
「真面目に謝れ馬鹿、家から蹴り出すぞ。」
京吾くん、目がギラリ。
あわわわわっ、怖い怖い怖い怖い怖い!!!
「ごめんなさい。これからは、ちゃんと気を付けます…。」
あたしが慌てて謝ると、京吾くんはため息をつくだけで、何も言葉を発しなかった。
京吾くん…
「…あの、おこってる??」
あたしがそっと訊くと、京吾くんはテーブルに頬杖をついたまま、じっとこっちを見た。
「…怒ってるっていうか、胸くそ悪い。」
あぅぅ…
あたしはモジモジしながら口を開く。
「…あのね、きょうごくん。あたし、意地はってたの。きょうごくん、あたしが他の男の子と2人で飲みに行っても平気そうなんだもん。嫉妬とかしてほしかったのに、だから、なんか…むーーって思って…。
それに最近イチャイチャも少ないし、だからっ、京吾くんなんてもう知らないっ、飲み会に行ってやるーーって…。」
ここから先は頭がうまく回らなくて、言葉が出てこなかった。ん…、なんていえばいいかなぁ…。
あたしが頭をぐるぐるさせていると、京吾くんはまたため息をついた。
「…平気なわけ、ねーだろ。」
ほえ??
あたしがぱっと顔をあげると、京吾くんはチッと舌打ち。
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