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「…平気じゃ、ない。
…会社の人間と飲むの止めるって、変に束縛してるみたいだったから我慢してただけ。…本当は男と二人きりとか、絶対行かせたくない。」
え…?
京吾くん、今なんて…?
「京吾くんっ、あの、ひゃっ!」
「潮!」
思わず京吾くんの方に行こうとすると、体に力が入んなくて、あたしはグラッと揺れて、京吾くんのお膝に倒れ込んじゃった。よ、よかった…顔面をダイレクトに床に打たなくて…!!
あたしが顔を上げると、京吾くんはきまりが悪そうに視線をそらしてきた。
「死ぬほど嫌に決まってんだろ。自分の彼女が他の男に狙われて、酔わされて、どっか連れ込まれそうになってたとか。
…気づけよ、馬鹿。」
わあっ……!!?
あたし、顔がパァァッと輝いちゃった。
それを見て京吾くんはさらに舌打ち。
「目ぇキラキラさせんな変態女。」
「だって!!!」
だって、嬉しいんだもんっ!!京吾くんがそんな風に思ってたなんて!!いつもすごく冷たいけど、ちゃんとあたしのこと好きなんだって分かること言ってくれて嬉しい…!!
「京吾くんにそんなこと言われるなんて夢みたいっ、もっと言って!!!」
「知るか。」
んもうっ、相変わらず冷たいっ!!
でも、愛のある冷たさよねっっ!!!
あたしがニコニコしていると、京吾くんはクイッとあたしの顎を持ち上げた。
「なあ、早く婚姻届出そ。今回みたいに潮に何かあったらヤだから。10月まで待ちたくない。」
き、
聞きましたかっ、みなさん!!!!!!
京吾くんが、あの冷たい京吾くんが、甘っ々(?)なことを言ってますううううっ!!
「わかったーーー!!!京吾くんの言う通りにするっっっ♪♪んもうっ、京吾くん、あたしにベタぼれなんだからぁっ♡♡♡♡」
「糞うざ。」
相変わらずの冷たさっ!!!!いいのっ、京吾くんの言葉には愛があるものっっ!!!
あたしが一人でキャイキャイ喜んでいると、京吾くんは「さて。」と、立ち上がった。
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