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「だって、もっと、ずっと……」
「だから、潰すって言ってんだろ」
呻いて指を引き抜く八紘に、春之は力の限りで抱きついて「ダメ」と訴える。
「八紘さんなら良い。八紘さんでないと、イヤだ」
子供のような必死の訴えに、八紘は唸る。
「おっ前、ホント、タチ悪いからっ」
挙句に八紘自身をその細い指で絡め取り、根元から扱き始めた。
「どうなっても知らねぇぞ」
八紘は観念して、サイドボードから引っ張り出したローションを自身の指に出し、春之の蕾に奥まで塗り込めると、今度は掌に足したそれを自身にも性急に塗りたくった。
「痛かったら言えよ」
正面から抱え上げた滑らかな春之の足に、一つキスを落とすと曝け出させた秘口がヒクリと震えるのが見える。
八紘は春之の足を抱えたまま上体を前に倒し、腰を進めにかかる。
「あっっっ! アツっ、んんぅ」
切羽詰まった春之の声を注意深く聞きながら、その中に潜む快感の音を感じ取る。
ゆっくりと春之に己を含ませて、その包み込まれる優しい熱に八紘は動きを止めた。
それが春之には、焦らしのように思えたらしい。
「八……紘さっ」
しなやかな腕に引き寄せられ、耳元で「動いて」と凶悪に強請られる。
「すげぇな春之。お前の中うねってる」
「やっ、ゴメ、ナサイっ、こんなっっで」
行為に慣れきっていると言われたと思ったらしい春之は、途端に涙を溢れさす。
「悪い。俺の言い方が悪かった。俺で気持ち良くなってる春之が、すげぇ可愛い」
舌で溢れ出る涙を掬いながら言葉を言いかえると、春之は歪めた顔のままなのに、これまでになく綺麗な顔で微笑んだ。
「好き、です。八紘さん、が、愛おし、い」
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