*プロローグ*

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*プロローグ*

    メイリン・ユリは16歳。 彼女は嬉々(きき)としてエプロンを付けると、料理に取り掛かった。 綿棒でパイ生地を伸ばす。 台にくっつかない様に粉を()き、均一に伸ばしてゆく。 彼女の動きには、淀みがない。 パイ生地に詰めるブルーベリージャムは昨日の早朝に 街を抜け、城を囲む森で()んできた。 摘み立てのブルーベリーの半分をジャムにして、 すでに冷所で保管してある。 さらに彼女はスコーン作りに入った。 パイ生地と違い、こちらは少し力仕事。 朝のうちにボールに材料を入れ混ぜて、発酵したそれを 粉を撒いた台に移し、練り上げ形を整えてゆく。 スコーンはプレーンと、残しておいたブルベリーともう1つ。 棚の(ビン)詰めのラズベリージャム入りの3種を作る。
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