*その10.接触⑴*

4/6
前へ
/340ページ
次へ
 「化け物はやめろよ!」 アーサーで突っ込む勢いごと、新たに5人をしとめる。 「1人で…マジか・・・」 相手も驚きすぎてひるむ。 その心理に隙が出る。 隙を利用させてもらうよ。 周りに居た一個小隊はすべて止まったか? 森がすでに半分は炎に沈んでいる。 最初の魔法陣での延焼が、なめるように森を包んでゆく。 「ヤバい…息が・・」 炎の中で人影を見た。 まだ反乱分子? 端末で生体をスキャンする。 近場しかスキャンできないのが致命的でもあるが・・ 反乱軍じゃない! 「違う。女と子供?」 一般人だ、旅人に違いない。 俺の端末がその時、鳴った 『アントニオ!』とユージンの声 「森…の延焼を・・押さえろ!」 それだけしか返せない。 煙に巻かれる。 急激に酸素が延焼で奪われていく。 辺りは二酸化炭素と一酸化炭素がはびこっていく。 息がこっちも続かない。 しかも獣人族の反乱軍は基礎体力が俺達、人間と違う。 この熱さと煙をものともしないで、突進してきた。 逆に退路を塞がれる。
/340ページ

最初のコメントを投稿しよう!

15人が本棚に入れています
本棚に追加