*その10.接触⑴*

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 ジェスチャーで消火弾を指図する。 馬で走り寄るとぐったりした男の子が見えた。 「その子、大丈夫ですか?」 旅の仲間に声をかける。 男の子は炎にあぶられ真っ赤な顔だが、 瞳はまだ光を無くしていない。 問題はもう1人の少女だ。 メイリンくらいの年頃だろうか? 岩人間が抱えているが、こっちは動かない。 ピピと端末が鳴る。 目的地点を指図する。 宙を見上げると飛行船が見えた。 ジンか? 自分の隊だった元第7師団を使ったらしい。 俺は旅人を促した。 次々と消火弾が降下される。 「息を整えて、消火弾を吸わないように!」 生木を燃やす音と木々の爆ぜる音。 隊列が敵の反乱軍をいなしていく。 それにこの炎だ。 隊の中にユージンが見えた。 「東の街へ逃げてください、俺も後で同流します」
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