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ジェスチャーで消火弾を指図する。
馬で走り寄るとぐったりした男の子が見えた。
「その子、大丈夫ですか?」
旅の仲間に声をかける。
男の子は炎にあぶられ真っ赤な顔だが、
瞳はまだ光を無くしていない。
問題はもう1人の少女だ。
メイリンくらいの年頃だろうか?
岩人間が抱えているが、こっちは動かない。
ピピと端末が鳴る。
目的地点を指図する。
宙を見上げると飛行船が見えた。
ジンか?
自分の隊だった元第7師団を使ったらしい。
俺は旅人を促した。
次々と消火弾が降下される。
「息を整えて、消火弾を吸わないように!」
生木を燃やす音と木々の爆ぜる音。
隊列が敵の反乱軍をいなしていく。
それにこの炎だ。
隊の中にユージンが見えた。
「東の街へ逃げてください、俺も後で同流します」
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