*その10.接触⑵*

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 「アントニオ!」とワタル 俺は泣いている子供にやさしく話しかける。 「坊や、いいもの上げようか?」 0284f6ab-c59a-43c6-b826-3c6de31af1a2 そういってポケットをごそごそ探る。 確かメイリンに貰った菓子が・・・ 「あった!」 泣いている子に手渡すとワタルが、いいの?と聞く 「恋人が甘党でね、俺のポッケは菓子入れになっている」 笑うとワタルも笑い返した。 子供はげんきんだ、さっきまで泣いてたコが ニコニコしながら、バイバイ(@^^)/~~~と人波に消えた。 「食べるかい?」とワタルにも渡すと嬉しそうに笑う。 やはり子供だ。 辺りを見回す。 不思議な町だった。 人間も獣人族もなく、皆が平和に共存している。 精霊も妖獣もエルフも、この町には差別という壁がないらしい。
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