*その10.接触⑵*

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 俺は人間と獣人族は相いれない存在と思っていた。 進化自体がまるで違う。 魔力を持つものと科学に生きるもの。 まるで違う。 でもこの町には他種族を越えて共存する、 生物同士のつながりのようなものさえ感じる。 ワタルと名乗った少年。 彼もそうだ。 獣人族と共に旅してるようだ。 しかもワタルは人間でありながら魔力を持つ。 差別のないこの町出身かと思ったが、そうでもないらしい。 一緒に居た少女『マリア』はラバースーツで、エアロバイクに乗っていた。 ノーザイルかイリス出身なのだろうか? それにしても種族が違っても分かり合える? 少なくても、この町はそうだ。 そして。 ワタル達の姿が俺には、このイリヤの港の縮図にさえ見えた。
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