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*その11.イリスの壊滅⑴*
よくない噂を聞いた。
師団の中でも噂が飛び交っている。
俺は将軍じきじきにその第一報を聞き、
速やかに師団をまとめて現場に向かった。
その街には、すでに銀の騎士団が入っている。
街に強力な魔力の波動と動き。
だから南部戦線の第6師団を先に向かわせた。
俺が居たイリヤの港から、その街までは距離がありすぎる。
師団をまとめる時間が惜しい。
端末で命令を下し、すぐに俺も合流するつもりだった。
そう。合流するつもりだったのだ。
将軍の第一報を聞くまでは。
耳を疑う。
夢であれと思う。
命からがらその街に入っていた生き残りが王都に戻り、
将軍はその詳細を知るために俺に命令を下した。
『イリスの街を調べろ』
第3、第5師団と向かう。
先に現場に入ったのは第6師団。
救済を第一に考え、敵を包囲して市民を逃がすはずだった。
だけど。
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