*その11.イリスの壊滅⑴*

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 「イリスが・・・」 ひひーん! アーサーの足が止まる。 本能的におびえている。俺は見た。 陥没したクレーターのような大地。 地面が大きく(えぐ)られたかのように、 そこには何もなかった。 「街が消えてる!」 騒ぎ出す師団に声を飛ばす。 「お前たちはここに居ろ」 嫌な予感がした。 噂はうわさであれと願った。 ユージンからの端末の声と、目の前の光景が答えを導き出す。 強い魔法陣を使った跡。 街そのものを消滅させるような。  イリスの街は無かった。 街と呼ばれていたものの、跡形さえ欠片もない。 「副指令いけません、まだ魔導士がいるかも・・!」 背の声に返す。 「対魔の剣は何も感じていない!」 魔力を感じると熱を持ち、教えてくれる対魔の剣。 それが何も感じない。 そう何もだ。 魔力を感じない。 でも1人で突入を試みたのは、まだそこに罠のように 魔力発動のトラップがあるかもという思いからだ。 とりあえず、1人でと思う俺を横から来たジンの師団。 先頭のジンが飛び出て俺を止める。
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