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「第5師団、ちょうど集まっているな。
第3師団と調査だ」
「まず魔力の波動とトラップを調べろ。
それから街に入る」
陣形が解かれ、俺を中心に第3、第5師団が
ジンの命令に左右に分かれていく。
ジンの背後に俺が、元率いていた第2師団。
副指令・・と心配げな第2師団が見えた。
その時、端末が鳴った。
『アントニオ。街には入ったのか?』
将軍の声。
横からジンが会話に混ざるように、グループ会話に
通信を切り替え、俺たちの会話に混ざってきた。
『イリスの街らしきものは見当たりません』
『やはりカイゼルの言う通り強力な魔法陣を使ったらしいな』
その言葉に背筋に電流が走る。
臆したとでもいうのか?どうかしている。
『将軍と呼べ』とカイゼル将軍の声。
「将軍…俺は・・」とアントニオ。
唇が渇く。
「トラップはありません」
手分けした師団が戻ってきた。
ジンが率いていた元第7師団は現在第5師団に合併されているが、
地の利をいかした斥候は、さすがと言うしかない。
前線の先頭集団の第2師団に配属になったが
ジンはもともと後方援護担当だ。
しかも兵糧輸送をメインにしていたから
戦闘指揮としてもジンは有能であると言える。
(兵糧輸送は狙われやすい為、戦闘力にも特化している)
第5師団はスパイ調査に特化した集団だ。
さすがに斥候には手馴れている。
そして命令を出すジンの判断力も。
「・・・・。」
俺は子供だ。
困惑してしまった。
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