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彼の亡骸がダナックの民に発見されたのは、死後数時間。
住民の静止も聞かず、禁断の洞窟に入った余所者。
災いを畏れた民は、交代で洞窟付近の様子見をしていた。
「自業自得、言わんこっちゃない」
「ダナックにまで災厄が及ばねば良いが」
ダナックはエーシア大陸の南東部ラグライン王国の港町だ。
近隣国との交易も盛んで、特に沈香という香木は、
エーシア大陸の盟主・唐華帝国や黄金の島国・ツィァパングォで珍重された。
浅瀬には美しいホワイトサンズのビーチが伸びている。
椰子の木が風に靡いて、ゆったりとした時間が流れている。
陽射しは灼け付くように暑く、ダナックの民は健康的な肌色をしている。
ラグラインには春夏秋冬という季節はない。
常夏の王国には雨季と乾季があるのみだ。
切り立った崖や大理石の産地である山々があり、珍しい猿など生態系もユニークだ。
その為、異国の冒険家や密猟者がやって来ることも多かった。
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