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「こういう会社を利用するの初めてだから、どうすればいいのか」
「皆さんそうおっしゃいます。普通に、お願いしたい内容とその詳しい理由、行ってほしい場所をおっしゃってくだされば構いません」
そうねぇ、と躊躇い気味だった依頼人は、それでも意を決したかのように顔を上げ、側に立つ僕を見つめた。
首が苦しそうだな、と感じたその時、初めて着席していないということを思い出し、慌てて簡易椅子の一つに腰掛ける。金属性の冷たさが、火照った体にありがたかった。
僕が座るのを確認してから、老女の下あごはゆっくり落ち、物語が始まった。
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遠慮がちな、心配そうな声で老女から名前を呼ばれた。目を閉じていたから、眠っていると勘違いされたのかもしれない。
話はまだ途中であったため、「寝ていませんよ」と確固たる主張をして何とか安心してもらい、先を促す。
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