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「でも…」
口を尖らせたユリカが切り出した。
「私、本当にやりたいこともなりたいものもないんです。
親だって、進学に反対っぽいし、本当にまだ分からないんです。」
ため息交じりで、ユリカは感情的な口調になった。
「でも森山、大学進学希望なんだろう?じゃあなんでそうしたんだ?」
「…大学に…行きたいからです。」
「大学でやりたいことはないのか?」
「…よく分かりません。うち、普通の家じゃないんで、そういう話はまともにできないんで…。」
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