第3話

3/6
前へ
/371ページ
次へ
「でも…」 口を尖らせたユリカが切り出した。 「私、本当にやりたいこともなりたいものもないんです。 親だって、進学に反対っぽいし、本当にまだ分からないんです。」 ため息交じりで、ユリカは感情的な口調になった。 「でも森山、大学進学希望なんだろう?じゃあなんでそうしたんだ?」 「…大学に…行きたいからです。」 「大学でやりたいことはないのか?」 「…よく分かりません。うち、普通の家じゃないんで、そういう話はまともにできないんで…。」
/371ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加