第3話

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担任は、机の上に置かれた全員の作文用紙をまとめながら話した。 「親御さんとのことは、きちんと話し合うしかないから、まずは森山自身がどうしたいかをはっきりさせなさい。三者面談も夏休みにやるから。 そのために、まずはこれを読んでみなさい。」 「…はい。」 担任は、改めてユリカを見て言った。 「森山は、成績は悪くないし、やればできるんだから、大学に行きたいと思うなら上位校を目指せ。目標を高く持つんだ。内容はどうあれ、自分の思いをここまで書けるんだから勿体ない。」 無言で担任の手元を見つめるユリカ。 「再提出は来週。とにかくちゃんと出せよ。」 「…はい。」
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