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帰宅すると、すぐに夕飯だった。
母と2人の夕飯は、いつも静かでピリピリしたものだった。
「土曜日、お父さん来るって言ってたよね。」
気を遣ってユリカは話を振る。
「…知らない。」
母の答えで、今日の機嫌が分かる。
今日は母を刺激してはいけない日だと察した。
ユリカの父と母は、ユリカが中学に入った頃から不仲になり、会話が一切なくなった。
そして気づいたら、父は家を出て、たまにやってくる程度だった。
母以外の女性がいるだろうことは、なんとなく分かっていた。
気持ち悪いと思いつつも、関係ないと心の中で線引きし、バランスを保つようにしていた。
「あんた、もっと早く帰ってきて家の手伝いしなさいよ。お母さん、いつも仕事で疲れてるの!」
「うん…。」
「お母さんばっかり家事やってるんだからね!せめてアルバイトくらいしてくれないと…。」
「…明日、テストあるから勉強しなきゃ…。」
「テストがあるからって何よ!?だいたいあんたはいつもそうやって…」
「…自分が食べたお皿は洗うよ…。明日はお弁当いらない。コンビニで買う。」
そそくさと食事を終え、ユリカは自室にこもった。
これがいつものユリカの生活だった。
一人の部屋と学校だけが、今のユリカの居場所だった。
第4話に続く➡
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