マロニエのブルーとチェリーブロッサム

【第1章】第1話

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とある田舎の小さな都市に立つ、大石東高等学校。

森山ユリカがここで見る桜は、今年で3回目。
初めて見た時の不安や心細さは、もう忘れてしまった。

心躍る春の空気とは裏腹に、来年はもうここにはいないのかという感傷も味わっていた。

始業式、学校に集まる面々。
花盛りの桜に、皆が色めき浮ついている。

クラス分けの紙が貼られた掲示板の前には、ユリカとともに、2人の女子学生が特に盛り上がっていた。