第5話

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第5話

「そこの2人、どっちか教科書忘れたのか?」 起立・礼が終わってすぐ、やはり目立つのか、凄みのある低い声で尾山が指摘し、舌打ちをした。 「…すみません、僕が教科書忘れて、森山さんに見せてもらってます。」 焦って起立し、答える佐藤。 皆の同情と哀れみの視線が集まった。 「佐藤か。分かった。家でちゃんと復習しろよ。次は気を付けろよ。」 「…はい。」 怯え気味に下を向いていたユリカは、驚いて顔を上げた。 周囲もざわめいている。 そして、何事もなく授業は終わった。
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