第5話

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「森山さん、ありがとう。助かった。ごめん。」 「尾山先生怖いでしょ?みんな鬼山って呼んでるんだよ。」 「聞いてはいたけど…びっくりした。」 授業が終わり、静かに語る佐藤が初めて笑顔を見せた。 それがきっかけで、ちょっとした会話がスタートした。 転校してきて慣れたかだとか、どこに住んでいるかなど、至って他愛のないものではあった。 …あまりしゃべらないけど、佐藤くんて結構おもしろいんだ。頭良さそう。 物静かそうだけど、中身は意外と普通の男子高校生っぽいな。 ユリカは佐藤についてそう思いつつ、新しい友達ができたので、学校生活がもっと楽しくなったらいいなと期待を膨らませた。
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