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…私だけ空回りしている。
それも一緒だ。何もこんな時にまで繰り返さなくても。
やっぱり、声なんてかけなきゃよかったのかもしれない。
『もうこれ以上、自分から傷つきにいくのはやめよう』
佐藤ともう会わないと決めた時、強く誓ったことを思い出す。
…あれから、ずっとそうしてきた。
長い月日が過ぎたのに、やっぱり心が通じ合えなかった。
また同じ失敗をしてしまった。
悔しさと悲しさの混じった涙がこみ上げてきそうなのを、必死にこらえた。
第50話に続く➡
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