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「…森山さん、元気?…久しぶり。」
佐藤は、穏やかな笑顔でユリカを見ていた。
冷たい態度を取られていると思ったユリカは、戸惑って言葉を失った。
そして次の瞬間、まぶしい日の光が差し込んできたのを感じた。
2人で日の出を迎えた、あの遠い遠い朝の光景が、時を越えて一瞬で蘇った。
混乱の中、深呼吸してユリカは答えた。
「…元気だよ。おかげさまで。」
なぜか、一気にあの頃の優しい時間に戻ったような気がして、身体じゅうの余計な力が抜けた。
「森山さん、大人になってて全然分からなかった。…でも森山さんだ。」
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