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第51話
「…よかったら、今度、お茶しよう。」
絞り出すように、でもまっすぐに佐藤が言う。
「え…?」
「ごめん、突然。…嫌じゃなければ、久しぶりに、その辺でお茶でも。」
「…久しぶりって、ほんと何年ぶりだろう。」
「うん。」
少しの間があった。
「…じゃあ、一緒に…ロイヤルミルクティー飲もう。」
俯きながらゆっくりと話すユリカの口元は、震えながらも微笑んでいた。
笑っているのに、目の奥が熱かった。
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