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「必ず連絡してよ。じゃあ俺、もう行くから。…またね。」
「…うん。ありがとう。…またね。」
そのまま佐藤は、地下鉄の駅に続く下りエスカレーターに乗り、見えなくなった。
相変わらず、後ろは振り返らなかった。
一瞬の出来事のようだった。
でも、「またね」と言った。
次がある。次につながった。
…静かに強引なところ、全然変わっていない。
そんなつもりはなかったかもしれないけど、そうやって私を掬い上げてくれた。
きっと同じようにして、夢や目標を掴んできたのだろう。
そして、他の誰かも掬い上げてきたのかもしれない。
そういうところが大好きだった。
それゆえに悲しいこともあったけれど。
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