第52話

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「この前さ、うちに来た佐藤くん。モリカの知り合いだったんだね。」 おもむろに話が始まった。 ユリカは、弱点でも突かれたかのような表情で慄いたものの、西沢に悟られないよう落ち着いて答えた。 「…はい。高校3年の時に同じクラスでした。…でも、どれくらいぶりか分からないくらい久々でした。」 「そっかー。僕ね、年明けに佐藤くんと大学のサークルのOB会で初めて会ったんだけど、その時に結構話したんだよね。それ思い出してさ。」 無言で頷くユリカに、西沢は続けた。 「佐藤くんと僕、マスコミ系のサークルに入ってたんだよ。出版とか放送とかの。」 「はい。」
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