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「なぜかさ、なんでこのサークルに入ったの?なんて話になって。僕が聞かれたからさ、佐藤くんにも聞いたわけ。」
「はい。」
「そしたらさ、文章を書けるようになりたいからだって言ったんだよね。
でも、よくよく聞いたらマスコミも出版も興味なくて、本当は弁護士になりたかったって言っててさ。」
「…ああ、聞いたことあります。」
俯き気味にユリカは答えた。
ユリカの反応を確認しながら、ペースを合わせるかのように、穏やかに西沢は続けた。
「でさ、佐藤くんさ、高校の時に一緒にいた人の書く文章が好きで、でもどうしても自分は書くのが苦手で、少しでも何か表現できるようになりたかった…みたいなことを言ってたんだよ。」
ユリカは、目を丸くして顔を上げた。
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