【第1章】第1話

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「マキちゃん、今年こそ坂本くんに告白するんでしょ?」 「ナナさー、またそうやってー。やめてよ突然!普通に友達でいいし。」 「いいなー。彼氏がいたら、一緒に帰ったり遊んだりして青春したいなー。」 のんびりと会話に参加するユリカ。 「ユリカはいつも同じこと言ってるよねー。青春て、もう今年しかないよ?」 呆れながらナナが言った。 「そうだよねー。でも、私が好きになる人、みんな違う人のことが好きなんだもん。」 近くの桜の木々を見つめながら、ユリカがつぶやいた。 風はなくても、満開を過ぎつつある花びらが少しずつ舞っている。 「またそれ?好きなら好きって言わないとダメじゃん。だからいつも、好きな人できても片思いないんだよ。」 「うん。だからとりあえず、好きな人か彼氏ほしいなー。はじけたい。」 マキの言葉を流すように、ユリカは相変わらず桜を見上げている。 「はじけるって何ー?」 ただそれだけの会話でも笑いが止まらず、恋に恋をしているような年頃。
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