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「マキちゃん、今年こそ坂本くんに告白するんでしょ?」
「ナナさー、またそうやってー。やめてよ突然!普通に友達でいいし。」
「いいなー。彼氏がいたら、一緒に帰ったり遊んだりして青春したいなー。」
のんびりと会話に参加するユリカ。
「ユリカはいつも同じこと言ってるよねー。青春て、もう今年しかないよ?」
呆れながらナナが言った。
「そうだよねー。でも、私が好きになる人、みんな違う人のことが好きなんだもん。」
近くの桜の木々を見つめながら、ユリカがつぶやいた。
風はなくても、満開を過ぎつつある花びらが少しずつ舞っている。
「またそれ?好きなら好きって言わないとダメじゃん。だからいつも、好きな人できても片思いないんだよ。」
「うん。だからとりあえず、好きな人か彼氏ほしいなー。はじけたい。」
マキの言葉を流すように、ユリカは相変わらず桜を見上げている。
「はじけるって何ー?」
ただそれだけの会話でも笑いが止まらず、恋に恋をしているような年頃。
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