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「ねえねえ、桜の花びらがね、地面に落ちる前にキャッチできると幸せになれるんだってー!」
暖かい風にひらひらと流れてきた桜の花びらを見て、マキがはしゃぎながら言った。
そして、舞い落ちる小さな花びらに両手を向け、軽やかに駆け回る3人。
時折、クラスメイト達がおもしろそうに声をかける。
「あー惜しい!もうちょっとだったのに…。」
「待って待って!難しいんだけどー!」
「あ、そっちに花びら行くよ!」
次の瞬間、夢中になっていたユリカは、誰かとぶつかってしまった。
「あ、ごめんなさい…。」
慌てて謝ったユリカ。
そこにいたのは、知らない男子生徒だった。
少し驚いた様子で会釈をして、そのまま通り過ぎて行った。
「ユリカー、危ないってー!必死になりすぎー!」
ナナは呆れながら言いつつも、また3人で笑った。
「でもね、見てこれ!取れたよ!」
ユリカの手のひらには、小さな薄紅色の花びらが確かにあった。
盛り上がる3人。
はしゃぎながら教室に向かった。
第2話に続く➡
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