【第1章】第1話

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「ねえねえ、桜の花びらがね、地面に落ちる前にキャッチできると幸せになれるんだってー!」 暖かい風にひらひらと流れてきた桜の花びらを見て、マキがはしゃぎながら言った。 そして、舞い落ちる小さな花びらに両手を向け、軽やかに駆け回る3人。 時折、クラスメイト達がおもしろそうに声をかける。 「あー惜しい!もうちょっとだったのに…。」 「待って待って!難しいんだけどー!」 「あ、そっちに花びら行くよ!」 次の瞬間、夢中になっていたユリカは、誰かとぶつかってしまった。 「あ、ごめんなさい…。」 慌てて謝ったユリカ。 そこにいたのは、知らない男子生徒だった。 少し驚いた様子で会釈をして、そのまま通り過ぎて行った。 「ユリカー、危ないってー!必死になりすぎー!」 ナナは呆れながら言いつつも、また3人で笑った。 「でもね、見てこれ!取れたよ!」 ユリカの手のひらには、小さな薄紅色の花びらが確かにあった。 盛り上がる3人。 はしゃぎながら教室に向かった。 第2話に続く➡
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