第1話 始まりの春

5/12
前へ
/245ページ
次へ
「式瀬班長、何か欲しい人材はいたかね?」 「この人、配属希望出てますか?」 「待ってくれ。んーと…」 満求は、手元にある冊子を見る。 「あ、出てないんだよ。しかも、この人は、ほぼ白紙で出してんだ」 「は?また、なんで…」 「わからない。本人に聞いたら、『どこでも大丈夫です。使ってくれるなら…』ってな」 「ほう」 少し考える。 「どこでもいいって、考えるのを捨ててないか?」 「続けられるといいけどね」 他の班の班長は、少しだけ批判する。 「配属希望が出てないなら、丁度いい。隊長、この人…うちに。特殊巡廻班へ配属をお願いします。面白そう。芳永夏貴(よしなが なつき)」 ふふっと笑う八凪を見て、恐怖を覚える。
/245ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加